矯正歯科

矯正歯科とは

矯正歯科治療は、歯並びを整え、咬み合わせを改善することで、歯の喪失を防ぎ健やかな人生を送っていただくためのものです。ファスナーや歯車を想像してみてください。ファスナーや歯車はすべての歯がしっかりと咬み合って、はじめて持ち前の機能を発揮します。同じように人の歯も、歯並びのきれいさだけでなく、すべての歯がきちんと咬み合い、顎の動きによく合って、食べ物を咬めなければなりません。一見きれいな歯並びでも、上下の歯がきちんと咬み合っているとは限りません。大切なのは、咬み合わせです。つまり、当院の理念である《生涯自分の歯で食事を》を補った治療方法のため当院ではお勧めしております。

矯正治療のメリット

矯正治療の目的は、歯並び、咬み合わせの改善にあります。さらに良好な咬合を維持する事でご自身のQ O Lの向上を目指します。

  1. 歯科疾患(う蝕、歯肉炎、歯周病等)の予防
  2. 顎骨の成長発育障害の予防と改善
  3. 咀嚼機能の改善
  4. 発音の改善
  5. 顎関節と咬合との調和

矯正歯科のデメリット

  1. う蝕、歯肉炎、歯周病
    矯正装置を装着することにより歯磨きがしにくくなることがあります。そのため不十分な歯磨きを続けてしますと、う蝕、歯肉炎、歯周病を生じてしまいます。
  2. 長期にわたる治療期間
    少しずつ歯を移動したり、顎の骨の成長を促すため、治療期間は長期にわたります。矯正治療は患者様の協力なくして改善は期待できません。定期的な来院、矯正装置の使用等において患者様の協力が得られない場合、治療の中断や延長を余儀なくされる場合もあります。
  3. 歯根吸収や歯肉退縮
    稀に歯根吸収(歯の根っこが短くなる)を生じることがあります。また叢生の改善に伴いブラックトライアングル(歯と歯茎の三角形の隙間)を生じることがあります。
  4. 痛みや圧迫感
    装置を装着した際に、痛みや圧迫感を感じることがあります。通常は、装置を調整したからおおよそ2〜3日で症状はなくなります。

当院の矯正歯科の特徴

矯正専門の歯科医が施術を行います

矯正治療は専門性の高い医療です。そのため、大学を卒業した後に適切な教育機関で歯科矯正学の知識を身につけ、臨床経験を積み学会が定める試験に合格することにより与えられる認定医の資格を有している歯科医師の治療を受けることをおすすめします。また、初診相談時に矯正治療によるメリットおよびデメリットについてしっかりと説明を受け、納得された上で治療を開始することをおすすめします。当院では日本矯正歯科学会の認定医が治療を担当いたします。

小児矯正と成人矯正について

小児矯正

顎骨の成長中のお子様には、歯のみならず顎骨の成長発育誘導も治療の目的となります。上下顎骨のアンバランスがある場合、成長を抑制する治療や成長を促すための治療が行われます。一方で、上下顎骨の成長が落ちついいた高校生や成人の方には基本的には歯並びに対する治療が目的となります。

矯正治療の開始時期は早い方で4~5歳頃から開始することもありますが、小学校低学年から開始することが多いです。それぞれの症状ごとに治療の開始時期は異なるため、適切な時期に適切な治療を受けることが重要です。歯並びやかみ合わせが気になった場合は、矯正の初診相談にて治療の必要性の有無や開始時期について説明を受けると良いでしょう。また、小児期から矯正治療を受けるメリットの一つとして、顎骨の成長発育誘導を行えることが挙げられます。かみ合わせが原因で顎が横にずれて成長している場合などは、早期にかみ合わせの治療を行うことで正常な方向へ顎骨の成長を誘導することも可能です。

成人矯正

顎の骨の成長が落ちついいた10代後半の方や成人の方には基本的には歯並びに対する治療が目的となります。矯正治療に年齢制限はありませんので、成人の方も矯正治療は受けられます。しかし、重度の歯周病を有している場合などはこの限りではありません。

当院で取り扱っている矯正器具の種類

拡大床(床矯正)

拡大床(床矯正)

お子様の歯の抜かずに歯並びを改善するために、顎を拡大する目的で使われます。
歯の動くスペースを作れば、抜歯を行わずに歯並びを改善することができます。

床矯正は取り外しを行うこともできるので、お子様にストレスが少なく歯並びの改善を行うことができます。

表側矯正

表側矯正

ワイヤーを用いて、矯正治療を行います。
表側にブラケットをつけるので目立つことが多いですがセラミック製のブラケットも用意しており、目立ちづらくすることは可能です。
表側のワイヤー矯正の利点としては適応できる症例が広いため、他の種類の矯正治療では対応できないような症例でも行うことができます。

裏側矯正

ワイヤーを用いて矯正治療を行いますが、ワイヤーを歯の裏側に設置して治療を行うことから裏側矯正と呼ばれます。

適応症例が表側ほどではないですが広いのにも関わらず、他人にばれることなく矯正治療を行うことができます。

マウスピース矯正

マウスピース矯正

透明なマウスピースを用いて矯正治療を行います。
取り外しも行うことができ、一日の中で食事や歯磨きの際は外したりなどできるので非常に衛生的です。
また、透明で他人にマウスピースをしているのがわからないので、他人にバレることなく歯並びの改善を行うことができます。

矯正治療の流れ

1.初診相談

口腔内の視診を行い、現状と使用するであろう装置の説明や大まかな治療の流れ・期間・費用などについての説明を行います。

2.検査

レントゲン写真撮影、口腔内写真撮影、顔面写真撮影、歯の型取りを行います。

3.診断

検査結果をもとに立案した治療方針の説明を行います。また、使用する装置の説明や治療の期間等についての説明を行います。

4.治療

開始時期により1と2に分かれます。

  1. 学童期からの治療開始の場合、治療はI期とII期の2段階になります。
    ・I期治療;顎骨の成長のピークが落ち着くまでの期間が対象となります。
    ・II期治療;成長が落ち着いてからマルチブラケット治療を行います。
  2. 永久歯列期から治療開始
    ・マルチブラケット治療を行います。

5.保定

歯を動かす治療を終え装置を撤去した後に、一定期間歯をおさえて観察を行います。マルチブラケット治療で動かした歯は装置撤去時に多少動揺します。
動揺が落ち着き、かみ合わせが安定するまでの間観察を行います。